トークンとICOs (JAI Spring 20219)

中湖 康太

オルタナティブ投資ジャーナル 2019年春号 (“The Journal of Alternative Investments” SPRING 2019)は、トークン(Tokens)とICOs(Initial Coin Offerings)を特集している。

トークン(Tokens)とICOs(Initial Coin Offerings)

ブロックチェーン・テクノロジーの重要なアプリケーションとしてのトークンとICOsが、スタートアップ企業の資金調達方法として登場し、ベンチャーキャピタルにとっても、より分散されたスタートアップ企業のポートフォリオを持つことが可能になった、という見方ができるとしている。

ブロックチェーンがキャピタルマーケットをどう変えるのか

同誌は、次のような見解を述べている。ブロックチェーンが今後、キャピタルマーケットをどう変えていくのか。目くばせが必要だろう。

高コストのVC

伝統的には、スタートアップ企業には、ベンチャーキャピタル(VC)が初期の資金を提供してきた。しかし、スタートアップ企業にとってVCは必ずしもアクセスしやすい資金源とはいえなかった。またVCは高コストで、支配権を失うなどのデメリットがある。

スタートアップ企業の代替的な資金源として、ブロックチェーン、スマートコントラクト、仮想通貨が登場してきた。これにより、グローバル市場の様々な投資家にアクセスすることが可能になった。

VCのポートフォリオ分散と要求プレミアムの低下

これはVCにとっても好都合であるかもしれない。トークンとICOsの登場により、スタートアップ企業のより分散されたポートフォリオを構築を構築することが可能になったからだ。VCはその性質上、より集中したポートフォリオを持たざるをえなかったこともあり、その結果、高いプレミアムを要求することになり、スタートアップ企業にとってはコストの高い資金源となってきた側面があるのだ。

グローバルなポートフォリオを可能に

トークンとICOsの登場により、VCの要求プレミアムが減少し、また、伝統的なチャネルでは困難だったよりグローバルなスペースでのスタートアップ企業への投資を可能にするになった。

Kota Nakako

5/12/2019

 

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