新著「財布がふくらむ 利他の経済学」発刊しました
「財布がふくらむ 利他の経済学 ~ 物と心が豊かになる発想転換の書」中湖 康太 著
内容紹介
経済学は実学です。しかし、「自己利益最大化」という経済学の前提は、利己主義として社会規範に反する面があります。本書は、「利他=社会全体の利益最大化」を前提にして実践者の立場から経済学を読み直しました。利他を目的に行動すれば、願わなくても自己の利益は最大化されているのです。このことを知れば、あなたは物と心の両面でより豊かになれるでしょう。本書は、発想の転換の書でもあります。
「利他の経済学」のアイデアは、経済学を学び、実社会で活動する中で、長年、持ち続けてきた、実生活において経済学がいかに役に立つかという実感と、その一方にある疑問と矛盾に対するひとつの回答です。本書は、経済学を、実践者として、利己の視点ではなく、利他の視点から読み直しを試みたものです。
実生活に経済学を活用しようとする全ての人々を対象にしています。このような発想の転換で、経済学はあなたにとってより役立つものとなり、物心ともにより豊かな生活をおくることを可能にするでしょう。
このような発想の転換がなぜ重要か。ケインズは「一般理論」の最終章で次のように述べています。やや苦みのあるコンテクストですが。
「エコノミストや政治思想家の発想(アイデア)は、それらが正しいものであろうが、間違えであろうが、一般に考えられているよりもはるかに影響力が大きい。実際のところ、世界はそれら以外のものにはほとんど支配されていない。いかなる知的な影響も受けていないと主張する実務家は、多くの場合、既に死んだエコノミストの奴隷である」
“… the ideas of economists and political philosophers, both when they are right and when they are wrong, are more powerful than is commonly understood. Indeed the world is ruled by little else. Practical men, who believe themselves to be quite exempt from any intellectual influences, are usually the slaves of some defunct economist.”
それほど、人々の実践、行動に対する、アイデア、発想の影響力は大きいということです。もちろん、利他の経済学の発想は、適切なものであると信じています。
なお、本書は、GCSのHPに2014年12月から2015年8月に連載したコラムに、ゲーム理論、日銀の量的質的金融緩和(QQE)の章を加え、加筆・訂正をほどこしたものです。
2017年5月
中湖 康太
目 次
はじめに
第一章 利他を前提に経済学を読み直す
第二章 消費者の行動
第三章 企業の行動
第四章 独占・寡占
第五章 費用逓減産業(自然独占)
第六章 ゲーム理論
第七章 外部性
第八章 公共財
第九章 課税
第十章 国際貿易
第十一章 労働供給 – 消費者行動の視点から
第十二章 余剰分析
第十三章 パレート最適
第十四章 生産–分配–支出の三面等価
第十五章 独立投資
第十六章 貨幣への投機的需要
第十七章 貯蓄のミステリー
第十八章 物価と雇用、そして生産性
第十九章 為替レート
第二十章 経済成長(一)
第二十一章 経済成長(二)
補論 金融政策の真の目標を達成した黒田日銀のQQE
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