マルチファクターモデルとバリュエーション(SAJ Mar. 2019を読む)
証券アナリストジャーナル2019年3月号に特集「マルチファクターモデルとバリュエーション」が掲載されている。
シンプルで直観にうったえるものが良い
マルチファクターモデルは、簡単にいえば、株式や債券などのリターンを複数のファクター(要因)で説明する統計的モデルである
機関投資家、M&Aアドバイザリー、ファイナンス研究者の視点からいくつかの論文が掲載されている。
個人的には、モデルはあまり複雑すぎると実用性が乏しくなると思っている。シンプルで直観にうったえるものが良い。
実際、M&Aを中心とした企業価値評価の世界では、シングルファクターモデルのCAPM(資本資産価格モデル)が主流であるという。
重要なのは説明変数の予測
ただし、シングルファクターにしても、マルチファクターにしても、現実には過去のデータから推計されたベータなどの係数が用いられることである。実際には説明変数の予想、予測がもっとも重要である。
評価対象に適したモデルが重要
様々な業種、業態、特徴をもつ個々の企業を、ベータとマーケットリスクプレミアムだけで説明するCAPMにも限界があるだろう。
シングルファクターであれ、マルチファクターであれ、評価対象に適したモデルが好ましいと思うのである。
Kota Nakako
5/7/2019