Jリート・セミナー(12) Update 現状と展望
中湖 康太
- マイナス金利政策導入後、長期金利の低下がつづく中、J-REITは金利低下頭打ち感からパフォーマンスはほぼ横ばい
- 不動産市場のベンチマークといってよい東京ビジネス地区の空室率は低下傾向が続く
- 東京ビジネス地区の賃料水準も上昇傾向が続いている
- 不動産市場のファンダメンタルは改善傾向が続いていると判断される
- 但し、円ドル為替レートが年初の120円程度から現在100円程度と円高に振れており、インバウンド需要には減速圧力
- キャップレートの低下が続く。但し賃料水準はなお前回ピークには及んでいないと推定
- 8月の日銀政策決定にはJ-REITの買増しは含まれなかったことで短期的には需給面から価格押し上げ要因とはならず
- J-REIT平均の分配金利回りは3.53%、NAV倍率は1.30
- 分配金利回り平均の10年国債利回りとのスプレッドは350bps強で割安感
- マイナス金利政策も導入され、金利に底打ち感はあるが、今後も低水準に安定的に推移すると期待される
- 不動産市場のファンダメンタルも改善傾向にあり、分配金水準は改善傾向の中、安定的に推移することが期待される
- 低金利が続く一方、マーケットには中央銀行のバランスシートの拡大に対する懸念もある・・・金価格高騰はその表れであると推定
- 一般にリートにはインフレヘッジ機能は無いとされるが、リートが保有する実物不動産にはインフレに対するヘッジ機能があることが期待される。この点から好立地の不動産ポートフォリオを持つリートへの投資は魅力的と判断
- 現在は、2%インフレ目標が達成できない中、日銀のバランスシート懸念があるという、微妙な市場環境にある。その中で、リートはフロー(利回り)、ストック(キャピタルバリュー)の両面から見て相対的に魅力的な投資対象と推定される
- 各投資家の利回り選好、リスク選好、タイプ選好、流動性選好に従った選別投資が妥当
(留意事項)
- 本資料は経済及び証券分析による調査研究を目的とするものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。
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