地球温暖化と株式市場(SAJ Apr. 2019を読む)

中湖 康太

証券アナリストジャーナル2019年4月号に特集「地球温暖化と株式市場」が掲載されている。

ESG投資

これは基本的にESG(Environment, Social and Governance)投資と企業戦略の問題と考えてよいだろう。

地球温暖化問題は、基本的には外部経済(不経済)の問題なので、その対応はなかなか難しいもの、との認識がまず必要だ。

ただし、昨今の異常気象で、企業、投資家、消費者を含め多くの人が、その弊害を感じとる状況にあるともいえる。

外部経済(不経済)の内部化

多くの人々が弊害を身近に感じられる状況にある以上、外部経済(不経済)の内部化、つまり、外部性が市場メカニズム、資本市場に取り込まれる契機が生じているともいえる。

ESG投資が叫ばれるようになったのはまさにその象徴ともいえる。

3者間のポジティブフィードバック

最終的には、消費者、企業、投資家の3者間でのポジティブフィードバックが生じることが必要である。

つまり、3者がESGを重視することで適正なリターンを得ることができるようになることである。

3者間のポジティブフィードバックといってもわかりにくいかもしれない。

ポイントを絞ろう。

差別化戦略としてのESG経営

カギは、企業がESG経営をすることで、競争力、収益性、成長性を高められるかどうか、である。

わたしは企業の差別化戦略としてのESG経営があると思っている。

つまり、ESGを重視している企業、そしてその企業が提供する製品・サービスはブランドを確立することができるのではないか、ということである。

「信頼」こそ全て: ”Trust is King.”

ESG経営を表明し、実行することで消費者の信頼を勝ち取ることができるだろう。

その意味で、ESG投資、ESG経営とは、「信頼」をかちとる戦略である、といえるのではないか。

Kota Nakako

5/7/2019

 

 

 

 

 

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