経済短歌 黒田総裁再任 Reappointment of Mr. Kuroda as BOJ Governor
黒田氏の 総裁続く 日銀は QQE継続 中道示す ⁻ 経済短歌
Kuroda’s reappointment as Governor of BOJ indicates the middle way of QQE, and necessary readjustment of it, thereafter. – Economic Tanka
– English down below
* QQE (Quantitative and Qualitative Easing; 量的質的金融緩和)
黒田日銀総裁の再任が報道されました。
黒田氏よりさらに右寄りのウルトラ・リフレ派の総裁は、米欧が超緩和から離脱の舵取りをする中、あまりにリスクが大きいと言えます。
一方、伝統的スタンスの総裁は、金融引き締めと受けとめられるため、第一に頭をよぎるのは円高リスクです。
当たり前ですが、現在のマーケットは黒田QQEをニュートラルにして見ているということです。
また、物価安定の完全雇用経済を実現している黒田日銀は、拙著「利他の経済学」でも述べていますが、真の金融政策の目標を達成しています。2%の物価目標ができていないということは本質的な問題ではないと思います。
今後の課題はマイナス金利政策(NIP)からゼロ金利政策(ZIP)へのシフト
総裁が変わるとすれば、黒田日銀の政策を継承し、状況に応じてどうQQEを修正していくかであったでしょう。
そして、修正の方向は、米欧の金融政策がとっている方向でしょう。
より端的に言えば、いかにマイナス金利政策 (NIP: Negative Interest Rate Polity) から、まずはゼロ金利政策 (ZIP: Zero Inerest Rate Polity) にシフトするかです。
マーケット、経済に「たられば」は禁物ですが、黒田日銀は、マイナス金利政策に踏み込んでしまったため、金融政策の自由度をかえってせばめてしまった感があります。
間接金融の比重が高い日本においては、マイナス金利政策が金融機関経営、ひいては金融システムに与えるインパクトは欧米に比べてはるかに大きいのです。
黒田日銀QQEを継続し、修正するのは黒田氏をもってするしかないということです。
黒田総裁再任は中道を行くことと言ってよいでしょう。
2018/2/12
© kota nakako, gcs
Mr. Kuroda’s bold and unconventional policy of QQE, has achieved true aim of monetary policy, or full employment with low inflation.
The snag is that despite the successful quantitative easing, NIP rather seems to have narrowed the flexibility of monetary policy in my view. As in Japan, more capital is channeled through banking system with rich retail deposits. NIP is putting significant pressure on Japanese financial institutions and possibly on Japan’s financial system.
Shift from NIP to ZIP; That is the job of reappointed Mr. Kuroda, in my opinion.
Kota Nakako
Feb. 12, 2018