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「マイナス金利政策の採用と功罪」植田論文(SAJ OCT.2016より)
2016-10-14
「マイナス金利政策の採用とその功罪」(植田和男 東京大学大学院経済学研究科教授、元日銀政策審議委員、証券アナリストジャーナル2016年10月号)植田教授は、日銀政策委員を勤めるなど実務にも精通した経済学者。マイナス金利政策についての分析、評価は傾聴に値する。植田論文の要旨を誤解を恐れず簡単に示し(正確には原典を参照のこと)、私見を述べたい。 植田論文の要旨QQEに対する外人投資家の『思い込み』植田教授は、「日銀は・・・量的には異例の規模に達するQQE(量的質的金融緩和)を実行してきた。当初はこうした政策の有効性に対する外人投資家の『思い込み』もあって予想を上回る円安・株高が発生したものの、その実体経済への波及は、国内経済主体のインフレ期待、更には成長期待(自然利子率)の低迷により限定的である。このことが投資家の『思い込み』そのものにも冷や水を浴びかせつつある」とし、QQEの効果に懐疑的であ... → 続きを読む
金鉱株は金か株か? (AIAR誌 Q3-2016より)
2016-10-03
金鉱株は、金か株か? (オルタナティブ投資アナリスト・レビュー誌2016 年第3季号より: “New Evidence on Whether Gold Mining Stocks Are More Like Gold or Like Stocks”, Mark A. Johnson, Department of Finance, The Sellinger School of Business and Management, Loyola University Maryland, ‘Alternative Investment Analyst Review’, Quarter 3 – 2016)金価格の高騰と株に対するアウトパフォーム金価格が、年初より高騰している。2015年末には1オンス1068ドルだったものが、2016年10月3日に1320.1ドルとドルベースで23.6%上昇している。... → 続きを読む
日米経済と市場展望(証券アナリストジャーナル2016年9月号より)
2016-09-20
証券アナリストジャーナル2016年9月号より「日米経済と市場展望」(武者陵司、㈱武者リサーチ代表、2016.7.4日本証券アナリスト協会講演会要旨、証券アナリストジャーナルSEP. 2016掲載) 著名なストラトジスト武者氏の優れた講演をまとめたもの。まず、そのグローバルな視野、よくここまで世界の主要国、地域の注視すべき動きに目配せできるものだ、と感心させられる。但し、意見を異にするところもある。まず武者の講演要旨をわたしなりの理解で簡単にまとめ(詳細と正確な内容の把握には本誌を参照いただきたい)、その後私見を述べたい。武者氏の講演要旨のまとめ世界経済の底流に流れる2つの不可逆的トレンド①グローバリゼーションの進展、国際分業の深化、②技術革新、特に情報化革命による生産性の飛躍的向上。日本株が一人負けとその背景、世界の中央銀行として行動する米FRB2016年から主要国の株価指数がほ... → 続きを読む
経済投資短歌 マーケット編 ポスト日銀政策決定会合
2016-07-30
7月29日の日銀政策決定会合発表前夜(午前1時頃)、短期的な株価より、日本経済の健全な中長期的な成長、発展を重視する立場から経済投資短歌(経済投資に関する短い文章の意)を作った。月曜日は円高を受けた相場展開となるだろう。そこで思い浮かぶ拙首6つ。円高は 悪いことばかりでない 悲観すぎるな 家計企業日本企業の成長エンジンは グローバル市場への投資なり 生かせ円高 好機到来円高で 円換算利益は 目減りすも 外貨建て利益に変化なしリスクオフで 円高に振れるのは BOP(国際収支)に 相対優位あるしるし銘柄選定、投資判断のポイントは 金利政策の行方なり金融緩和に逆効果 マイナス金利をチェックせよ2016.7.30 ... → 続きを読む
経済投資短歌 マーケット編 日銀政策決定会合発表前夜
2016-07-29
日銀に さらなるバズーカ(異次元緩和)求める貪欲に 限り無し日銀に さらなるバズーカ(異次元緩和)求めるは 麻薬患者のごときなりバズーカを 撃てば撃つほど 高まる増税懸念バズーカを 撃てども撃てども響かぬは 将来の増税を見越すため2017.7.29... → 続きを読む
スイスにおける不動産間接投資とインフレヘッジ機能
2016-07-25
「スイスにおける不動産間接投資のインフレヘッジ機能 」“Inflation Hedging Abilities of Indirect Real Estate Investments in Switzerland” By Roland Hafmann, Senior Lecturer, and Tobias Mathis, Graduate Student, Banking & Finance, Zurich University of Applied Sciences, ZHAW Winterhur (Switzerland)Alternative Investment Analyst Review, Q2 2016https://caia.org/knowledge-centerデフレ経済下でなぜ、インフレヘッジ機能か?オルタナティブ投資アナリストレビュー誌2016年季刊第2号... → 続きを読む
日本の人口減少悲観論と日本株悲観論の誤り
2016-07-17
人口減少と日本経済「視点・自分たち自身の課題」(白川方明 青山学院大学教授・日本銀行前総裁、証券アナリストジャーナル2016.7)で、白川氏は、人口動態と日本経済の成長性、財政問題について、エコノミストの視点から本質的な視点を提供してくれている。今回は、この白川氏の指摘をたたき台にさせていただいて、感じるところを述べたい。白川氏の視点のポイントは、以下の3点だろう。労働投入量減少の逆風1. 2000年移行15年間の生産年齢人口一人当たり平均実質GDP成長率が最も高いのは実は日本である。しかし、実質GDP成長率は最も低いグループに属する。これは、生産年齢人口(労働投入量)減少の逆風が大きいため。日本の潜在成長率は0%前半と推定さる。生産性上昇、女性や高齢者の労働参加率上昇が必要であるが、労働投入量の減少に相殺されてしまう。「安全・安心・清潔・正確という価値の追求」の問題2. 日本の社会が追求... → 続きを読む
英国EU離脱に思う
2016-07-09
英国の国民投票で離脱派が僅差ながら過半数(51.9%)占め勝利し、英国はEUを離脱することになりそうである。EU離脱を支持したある英国人の話日本在住の英国人の友人とこの件について話した。その友人は、標準的な英語を話す人である(ちなみに、英国という社会は、英語の発音で、民族や育ち、階級がわかり、区別する社会である)。彼は、EU離脱を支持したそうである。EU官僚支配からの離脱であり、欧州からの離脱ではない移民問題、あるいは英国の独立性が理由か、と問うたところ「ノー(No)」と答えた。彼によれば最大の理由は、EUの官僚制、官僚支配に対する「ノー(No)」拒絶であると答えた。欧州の一員であることに対する抵抗ではない、と強調した。ただ、彼は、「本当に離脱するのかどうかはわからない」とも述べた。「政治家が水面下で、離脱を回避するために工作をすることがあるかもしれない」と言うのである。EUに加盟しても通... → 続きを読む
なぜヘッジファンドはアンダーパフォームしたのか?
2016-06-08
なぜヘッジファンドはアンダーパフォームしたのか?"Why Have Hedge Funds Underperformed?" by Hossein Kazemi, Alternative Investment Analyst Review Q2 2016Alternative Investment Analyst Review Q2 2016に掲載されている興味深い論文。筆者は同誌編集長のH. カゼミ氏。「ヘッジファンドのパフォーマンスがこのところかんばしくない、ということをよく耳にする」とし、その状況を7つのマルチファクターモデルの重回帰分析によって検証している。ヘッジファンド全般のパフォーマンスを表す指数としてCISDMを用い、S&P500をファクターのひとつとしてそのパフォーマンスを分析している。同モデルのR-squaredは78%と高い説明力を有しているといえる。CISDM... → 続きを読む
Comedy Review: “Twenty Twelve” BBC
2016-05-14
Comedy ReviewTwenty Twelve - Series 1-2 BBC Twenty Twelve - Series 1-2 DVDロンドン五輪をテーマにした新しいテイストのコメディ"Twenty Twelve"は、BBC Fourで、2011年3月から2012年7月にかけて放映されたコメディー。シリーズ1、2で全13エピソードからなる。新しいテイストのコメディーで面白く全編を一気にに見てしまった。従来のコメディーと大きく異なるのは、笑いの場面で、作り手からここが笑う場面ですよということを伝える「笑い」音声が挿入されていないこと。笑うかどうかは視聴者次第、笑いの押しつけがなく極めてクールなコメディーという印象である。恐らくここ10年くらいで、笑声が挿入されるパターンから変化しているのだろう。ロンドン五輪の準備委員会(Olympic Deliverance Commis... → 続きを読む
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