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英語で味わう古今和歌集 仮名序-17 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-17 Ki no Tsurayuki

2024-11-13
英語で味わう古今和歌集 仮名序-17 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-17 Ki no Tsurayuki  人麿亡くなりにたれど、歌の事とどまれるかな。たとひ時移り事去り、楽しび悲しびゆきかふとも、この歌の文字あるをや。青柳(アヲヤギ)の糸絶えず、松の葉の散り失(ウ)せずして、まさきの葛(カヅラ)長く伝はり、鳥の跡久しくとどまれらば、歌のさまを知り、ことの心を得たらむ人は、大空の月を見るがごとくに、古を仰(アフ)ぎて今恋ひざらめかも。  Though Hitomaro had passed away, the matter of poems has survived. Even if the time passes along with various matters and affairs, alte...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-16 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-16 Ki no Tsurayuki

2024-11-13
英語で味わう古今和歌集 仮名序-16 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-16 Ki no Tsurayuki  それ、まくら(まろら)、ことば、春の匂ひすくなくして、空しき名のみ、秋の夜の長きをかこてば、かつは人の耳に恐り、かつは歌の心に恥ぢ思へど、たなびく雲の立ち居(イ)、鳴く鹿の起き臥(フ)しは、貫之らがこの世に同じく生れて、このことの時にあへるをなむ喜びぬる。  Now, while we wonder if the collected poems of ours might be lacking in the fragrance of spring, and only its empty name would go down in history, not quite sure how they wou...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-15 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-15 Ki no Tsurayuki

2024-11-13
英語で味わう古今和歌集 仮名序-15 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-15 Ki no Tsurayuki  かくこのたび集め撰はれて、山下水の絶えず、浜の真砂(マサゴ)の数多く積りぬれば、今は、飛鳥川(アスカガハ)の瀬になる恨みも聞こえず、さざれ石の巌(イハホ)となる喜びのみぞあるべき。  Thus, we have selected and assembled the poems this time. There is unceasing stream of poems like the water at the foot of the mountain never running out and countless sands on the seashore. Now we haven’t hear...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-14 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-14 Ki no Tsurayuki

2024-11-12
英語で味わう古今和歌集 仮名序-14 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-14 Ki no Tsurayuki  それがなかに、梅を挿頭(カザ)すよりはじめて、郭公(ホトトギス)を聞き、紅葉(モミヂ)を折り、雪を見るにいたるまで、また、鶴亀につけて君を思ひ、人をも祝ひ、秋萩、夏草を見て妻を恋ひ、逢坂山(アフサカヤマ)にいたりて手向(タムケ)を祈り、あるは、春夏秋冬にも入らぬくさぐさの歌をなむ撰(エラ)ばせ給ひける。すべて千歌二十巻(チウタハタマキ)、名づけて『古今和歌集』といふ。  The emperor asked us to select and gather poems about inserting plum into hair, listening to Japanese Lesser cucko...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-13 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-13 Ki no Tsurayuki

2024-11-11
英語で味わう古今和歌集 仮名序-13 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-13 Ki no Tsurayuki  かかるに、今すべらぎの天(アメ)の天(アメ)の下しろしめすこと、四つのとき、九(ココ)のかへりになむなりぬる。あまねき御慈(オホンウツク)しみの波、八洲(ヤシマ)のほかまで流れ、ひろき御恵(オホンメグ)みの蔭(カゲ)、筑波山(ツクバヤマ)の麓(フモト)よりも繁くおはしまして、万(ヨロスヅ)の政(マツリゴト)をきこしめすいとま、もろもろのことを捨てたまはぬ余りに、古のことをも忘れじ、旧(フ)りにしことをも輿(オコ)したまふとて、今もみそなはし、後(ノチ)の世にも伝はれとて、延喜五年四月十八日に、大内記(ダイナイキ)紀友則、御書所預(ゴショノトコロノアヅカリ)紀貫之、前甲斐少官(サキノカヒノサウクワン...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-12 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-12 Ki no Tsurayuki

2024-11-09
英語で味わう古今和歌集 仮名序-12 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-12 Ki no Tsurayuki  そのほかに、近き世にその名聞えたる人は、すなはち、僧正遍照(ソウジヤウヘンゼウ)は、歌のさまは得たれども、まことすくなし。たとへば、絵にかける女(ヲウナ)を見て、いたづらに心を動かすがごとし。  在原業平(アリハラノナリヒラ)は、その心余りて、詞(コトバ)たらず。しぼめる花の色なくて匂(ニホ)ひ残れるがごとし。  文屋康秀(フンヤノヤスヒトデ)は、詞(コトバ)たくみにて、そのさま身におはず。いはば、商人(アキヒト)のよき衣(キヌ)着たらむがごとし。  宇治山の僧喜撰(キセン)は、詞かすかにして、始め終りたしかならず。いはば、秋の月を見るに暁(アカツキ)の雲にあへるがごとし...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-11 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-11 Ki no Tsurayuki

2024-11-08
英語で味わう古今和歌集 仮名序-11 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-11 Ki no Tsurayuki 片糸のよりよりに絶えずぞありける。これよりさきの歌を集めてなむ、『万葉集(マンエフシフ)』と名づけられたりける。  ここに、古のとこをも、歌の心をも知れる人、わづかに一人二人なりき。しかあれど、これかれ得たる所、得ぬ所、互(タガヒ)になむある。かの御時よりこのかた、年は百年(モモトセ)余り、世は十(ト)つぎになむなりにける。古のことをも、歌をも知れる人、よむ人多からず。いまこのことをいふに、官位(ツカサクライ)高き人をばたやすきやうなれば入れず。 Nice poets have come out since then incessantly. The collection of poems before ...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-10 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-10 Ki no Tsurayuki

2024-11-08
英語で味わう古今和歌集 仮名序-10 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-10 Ki no Tsurayuki 古よりかく伝はるうちにも、ならの御時(オホントキ)よりぞひろまりにける。かの御代(オホンヨ)や歌の心をしろしめしたりけむ。かの時に、正三位(オホキミツノクライ)柿本人麿なむ歌の聖(ヒジリ)なりける。これは、君も人も身を合はせたりといふなるべし。秋の夕(ユフベ)、龍田川に流るる紅葉(モミヂ)をば帝の御目(オホンメ)に錦(ニシキ)と見たまひ、春の朝(アシタ)、吉野の山の桜は人麿が心には雲かとのみなむ覚えける。また、山部赤人(ヤマベノアカヒト)といふ人ありけり。歌にあやしく妙(タヘ)なりけり。人麿は赤人が上(カミ)に立たむことかたく、赤人は人麿が下に立たむことかたくなむありける。 Thus, poet...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-9 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-9 Ki no Tsurayuki

2024-11-08
英語で味わう古今和歌集 仮名序-9 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-9 Ki no Tsurayuki また、春の朝(アシタ)に花の散るを見、秋の夕暮れに木(コ)の葉の落つるを聞き、あるは、年ごとに鏡の影に見ゆる雪と波とを歎き、草の露、水の泡(アワ)を見てわが身を驚き、あるは、昨日(キノフ)は栄えおごりて、時を失ひ、世にわび、親(シタ)しかりしも疎(ウト)くなり、あるは、松山の波をかけ、野中(ノナカ)の水を汲(ク)み、秋萩の下葉(シタバ)をながめ、暁(アカツキ)の鴫(シギ)の羽掻(ハネガ)きを数へ、あるは、呉竹(クレタケ)の憂(ウ)き節(フシ)を人にいひ、吉野川をひきて世の中を恨みきつるに、今は富士の山も煙立たずなり、長柄(ナガラ)の橋もつくるなりと聞く人は、歌にのみぞ心を慰めける。 Further,...
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英語で味わう古今和歌集 仮名序-8 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-8 Ki no Tsurayuki

2024-11-07
英語で味わう古今和歌集 仮名序-8 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-8 Ki no Tsurayuki あるは花をそふとてたよりなき所にまどひ、あるは月を思ふとてしるべなき闇(ヤミ)にたどれる心々を見たまひて、賢(サカ)し愚(オロ)かなりとしろしめしけむ。しかあるのみにあらず、さざれ石にたとへ、筑波山(ツクバヤマ)にかけて君を願ひ、よろこび身に過ぎ、たのしび心に余り、富士の煙(ケブリ)によそへて人を恋ひ、松虫の音(ネ)に友をしのび、高砂(タカサゴ)・住江(スミノエ)の松も相生(アイオヒ)のやうに覚え、男山(ヲトコヤマ)の昔を思ひ出でて、女郎花(オミナヘシ)のひとときをくねるにも、歌をいひてぞ慰めける。 At one time, poets were vacantly wondering seeing f...
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