‘経済・投資 Money’ カテゴリ
経済学短歌: リカード地代論の本質 Economics Tanka: The Essence of Ricardo’s Rent Theory
2018-02-15
リカードの 差額地代の 本質は 限界的な 生産力 - 経済学短歌
The Essence of Ricardo's Differential Rent Theory is Marginal Product of Land. - Economics Tanka
- English below.
リカードを読み直して感じたこと。経済学の限界革命は、1870年代のW.S. ジョボンズ、C.メンガー、L.ワルラスによってもたらされたいわれていますが、これは「限界効用革命」というべきでしょう。というのも限界生産力の概念は、すでにデービッド・リカードが1817年に出版した主著「経済学及び課税の原理」(‘The Principle of Political Economy and Taxation’)の(差額)地代論で明らかにしているからです。
リカードの著作に... → 続きを読む
経済短歌: 適正為替レートは繁栄をもたらす Tanka: Fair Exchange Rate Brings Prosperity
2018-02-14
高安の 日々変動に 惑うより 適正相場 推(お)して行え
Rather Than Brandished by Daily Fluctuations, Act on Fair Exchange Rates.
金利平価(Interest Rate Parity)により金利差のベネフィトは時間の経過で打ち消されてしまう
- English below.
適正為替レート推定には様々なものがあるでしょう。個人的には金利差をメインファクターとして推定する為替レートにあまり重きを置いていません。まず第一に、金利平価(Interest Rate Parity)が働くため、金利差は為替の先物レートとスポットレートの差に等しくなる、つまり、金利差によるベネフィットは、時間の経過により、打ち消されてしまうということです。
高金利通貨への投資も、一定期間後には当該通貨の下落により、金利差を打ち消されてし... → 続きを読む
経済短歌: マイナス金利と資本主義 Negative Interest Rate and Capitalism
2018-02-13
ふと思う 資本の対価 負とならば 資本主義とは 一体何か 経済短歌
Now Let’s Ask Ourselves, If Reward for Capital is Negative, What is Capitalism? Economic Tanka
- English below
ケインズは古典派経済学にチャレンジしたときに、"資本"と呼ばずに"マネー"と呼びました。ケインズは「一般理論」でマイナス金利の可能性について言及しています。しかし、ケインズは、それを現実としてではなく、可能性として考察しているのです。ケインズが、資本という言葉をあえて使わなかったのは、やはりケインズならではの鋭さ、知的明晰さ、周到さのゆえでしょう。
つまり、自らの短期の理論では金利はマネーとしてマイナスになり得る。しかし、それを資本としてとらえた時、それはマイナスにはなり得ないだろ... → 続きを読む
経済短歌 黒田総裁再任 Reappointment of Mr. Kuroda as BOJ Governor
2018-02-12
黒田氏の 総裁続く 日銀は QQE継続 中道示す ⁻ 経済短歌
Kuroda's reappointment as Governor of BOJ indicates the middle way of QQE, and necessary readjustment of it, thereafter. - Economic Tanka
- English down below
* QQE (Quantitative and Qualitative Easing; 量的質的金融緩和)
黒田日銀総裁の再任が報道されました。
黒田氏よりさらに右寄りのウルトラ・リフレ派の総裁は、米欧が超緩和から離脱の舵取りをする中、あまりにリスクが大きいと言えます。
一方、伝統的スタンスの総裁は、金融引き締めと受けとめられるため、第一に頭をよぎるのは円高リスクです。
当たり前ですが、現在のマー... → 続きを読む
経済短歌: 国際貿易 Economic Tanka: International Trade
2018-02-10
消費者の 豊かさ見れば 自由よし 次が補助金 下が関税 ⁻ 経済短歌
If measured in terms of economic welfare of nations, best is free trade. Next comes subsidy. Worst is protective tariff - Economic Tanka
-English below
一国の生産者だけでなく、消費者余剰(=豊かさ)、政府余剰を含めた一国の、また世界の経済的総余剰の観点からは、自由貿易が最も望ましいのです。
言わずもがなの経済学の常識ですが、短歌(もどき)にまとめてみました。いたしかた無い場合は、産業への補助金政策が、関税による保護貿易よりも良いのです。
特に農業については、安全、安心の観点からある程度保護する方が良いとする見方が、人々の心にあるように思います。但し、... → 続きを読む
経済短歌: 健全な調整 Market Tanka: Desirable corrections
2018-02-07
単調な 上がり相場は なお危険 むしろ健全 相場調整 (バブルを求むることなかれ)
Monotonous rises in market prices are more dangerous than otherwise. Desirable are corrections looking for fair prices. - Do Not Look for Bubbles.
(注) 相場調整=この場合は相場の下落
資産価格は適正水準を探索する過程で形成されるもの。単調な上げ相場では多くの人が買う気にはなれないでしょう。
企業業績がしっかりとしているかどうかが大切です。
注意すべきは、逆資産効果により消費者、企業マインドが冷え込むことで、実体経済に悪影響を及ぼすことです。つまり、悲観が悲観を呼ぶこと。
但し、米国企業、日本企業の経営、業績には強靭なものがあると個人的には思います... → 続きを読む
保護中: 東武鉄道と常盤台(5)東武鉄道経営と常盤台住宅地(上)
2018-01-27
東武鉄道経営にプラスに寄与した常盤台住宅地事業
昭和11年秋に「健康住宅地」として売り出された東武鉄道直営常盤台住宅地の売れ行きはどうだったのか、東武鉄道経営への影響はどうだったのかについて考えていきたいと思います。
結論から言えば、常盤台住宅地事業は、東武鉄道経営にプラスの影響を与えました。それは、「沿線開発」」という表現以上の効果を上げたと言えます。ここに根津嘉一郎の経営者としての、そして投資家ならではのしたたかさ、先進性を見る思いがします。今日の東武鉄道は、常盤台住宅地事業が社業発展、経営に与えた貢献を再評価すべきであると言えます。
戦時体制移行の逆風の中で地味に貢献
都市デザインの類似性からしばしば比較される田園調布が、大正12年の分譲開始と同時期に起こった関東大震災による郊外住宅への特需によって飛ぶように売れたのに対して、分譲開始とほぼ同時期に戦時体制へ突入するという時代... → 続きを読む
保護中: 東武鉄道と常盤台(4) 幻の西板線と常盤台住宅地
2018-01-18
幻となった西板線と常盤台住宅地
東武鉄道による昭和3年の土地買収
東武鉄道は、昭和3年、北豊島郡上板橋村(現東京都板橋区)の土地7万3600坪(24万2880㎡)を買収しました。これが、昭和10年10月に、東上線中板橋〜上板橋間に開業した武蔵常盤台(現ときわ台)駅北口一帯に広がる「健康住宅地」というキャッチフレーズで、昭和11年秋から分譲が開始される常盤台住宅地であり、東武鉄道による沿線開発の第1号となります。
類い稀れな偶然とは
以前、東急や阪急とは異なり、土地の開発利益によらずに、鉄道会社としての経営基盤を築いたのが根津嘉一郎の鉄道会社経営であり、東武鉄道の特徴であると述べました。さら、常盤台住宅地の開発には、類いまれな偶然が関係していることについて触れました。
根津嘉一郎の中には、私鉄の雄として、東急、阪急に負けない住宅地開発をしたいという想いがあったのではないかという推定... → 続きを読む
東武鉄道と常盤台(3) 根津嘉一郎と東上線
2018-01-17
常盤台住宅地物語: 優美さの秘密と価値を高めるまちづくり (GCS出版)
... → 続きを読む
常盤台 最適規制を求めて(3) ときわ台景観ガイドライン(上)
2017-12-31
常盤台住宅地物語: 優美さの秘密と価値を高めるまちづくり (GCS出版)
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