“The Warren Buffet Way 3rd Edition”(バフェット投資法)
Audiobook Review
The Warren Buffett Way: 3rd Edition
- Narrated by:
- Length: 10 hrs and 31 mins
- Unabridged Audiobook
©2013 Robert G. Hagstrom (P)2013 Random House
本書は、現代で最も偉大な投資家(の一人)であり、投資の王道たるバリュー投資の体現者であるウォーレン・バフェット、そしてその投資法について書かれた本である。バフェットの投資方針、投資哲学だけでなく、投資手法、運用面についてもわかりやすく書かれている。そして投資法に反映されたバフェットの人柄についても語られており、バフェットの投資法、バリュー投資を知り、身に着けようとする人には非常に参考になる本である。
第2版(2004年)に続く、第3版の発行は2013年であり、リーマンショックの試練を経ても、バフェットの投資が卓越したものであることを証明している。
バフェットの投資法の特徴は、基本的には以下の4点にまとめられるだろう。
1. 株式投資は、証券に投資するというよりも、その企業の事業に投資するものと考える
2. 厳選された少数の銘柄に投資する。短期的な売買はせず、中長期保有を前提とする
3. 理解できない事業には投資しない。言い換えれば、理解し、分析できるものだけに投資する
4. 会社の本源的価値よりも、安全性の幅(margin of safety)を考慮した割安な価格で購入する
株式の本源的価値の分析については、バフェットがベンジャミン・グレアムの証券分析から学び、出発していることはあまりにも有名である。
バフェットは、短期的な株価の変動には振り回されず、中長期に保有し、その証券の本源的価値が実現するのを辛抱強く待つ、忍耐強さを持っていることについても書かれている。バリュー投資にあたっては、忍耐が必要なことは評者(中湖)も痛感するところである。「忍耐 (Patience)」は言うは易し、行うは難し、である。
本書には、バフェットと比肩しうるバリュー投資家として、ケインズをあげ、その投資法、実績に触れていることは興味深く、とても参考になるものである。
バフェットが成功した以下の銘柄への投資が説明されている。
The Washington Post Company
GEICO Corporation
Capital Cities/ABC
The Coca-Cola Company
General Dynamics
Wells Fargo & Company
American Express Company
International Business Machines
H.J. Heinz Company
巻末のAppendixには、1977年から2012年までのバフェットが経営するバークシャー・ハサウェー(Berkshire Hathaway)の普通株のポートフォリオのリストが掲載されている。
以上
By Kota Nakako
2016/05/11