リカード「経済学原理」を歩く-140 土地税(Land Tax)-6 資本ストックが負担
【コメント】続けて、リカードは土地税の解釈に関して、アダム・スミスと異なる見解を述べる。つまり、土地税は、実質的には消費者に課されるのであるが、労働者はその資金不足のゆえに、一部は資本ストック、つまり利益に課されることになる、地代に課されるものではない、とする。
(訳)
スミス氏のこの主題に関する見解は、次のような説明にあらわれている。「十分の一税とその他のすべてのこの種の土地税は、一見、完全に平等に見えるが、実は、まったく不平等な税であり、異なる状況に応じて、地代として支払われる生産物の相当部分にかかるものである。」しかし、わたしは、このような税金は、農業者、または地主の各層が異なる重さで負担する不平等な税ではない、ということをこれまで説明してきた。なぜなら、彼らは生産物の価格の上昇によって償われているからで、生産物の消費者として、その相当分の税負担をしているに過ぎないからである。賃金として、そしてまさに賃金を通して利益率は影響を受けるのであり、地主は、このような税の全てを負担しているのではなく、実質的な税負担から免れているのである。このような税は、労働者にかかるものであるが、その資金の不足のゆえに労働者は負担することができず、資本ストックの利益にかかることになる。つまり、それは、資本ストックの使用によって生じる所得によってすべて負担され、地主に影響を及ぼすことはない。
(original text)
Dr. Smith’s view of this subject is probably the reason why he has described “the tithe, and every other land-tax of this kind, under the appearance of perfect equality, as very unequal taxes; a certain portion of the produce being in different situations, equivalent to a very different portion of the rent.” I have endeavoured to shew that such taxes do not fall with unequal weight on the different classes of farmers or landlords, as they are both compensated by the rise of raw produce, and only contribute to the tax in proportion as they are consumers of raw produce. Inasmuch indeed as wages, and through wages, the rate of profits are affected, landlords, instead of contributing their full share to such a tax, are the class peculiarly exempted. It is the profits of stock, from which that portion of the tax is derived which falls on those labourers, who from the insufficiency of their funds, are incapable of paying taxes; this portion is exclusively borne by all those whose income is derived from the employment of stock, and therefore it in no degree affects landlords.
Kota Nakako
7/23/19