2024 地価レビュー 板橋-7 住宅 成増
2024 地価レビュー 板橋-7 住宅 成増
東京メトロ副都心線/有楽町線の地下鉄成増駅から徒歩5分、東上線成増駅から徒歩7分、駅周辺には商店街もにぎわいがあり、生活利便性の高い立地だ。
本年3月に、元ダイエー跡地に都内最大規模の「MEGAドン・キホーテ成増店」が開業した
標準地は、成増一丁目第一種中高層住居専用地域で、建ぺい率容積率(60:200)。近隣地域は、「中規模一般住宅、共同住宅等が建ち並ぶ住宅地域」。地下鉄成増駅のある、川越街道(国道254号)の南側、1~2ブロック入ったところ。戸建て住宅、地上3-4階建ての低層マンションが立ち並ぶ。
評価書によると、主な需要者は、「自己使用目的の実需」、「住宅地の取得を前提とした中所得者層以上の個人」とある。
「賃貸マンション等の収益物件も散見される」ともあるが、主として既存土地所有者の資産活用によるものが中心だろう。建ぺい率・容積率(60%・200%)で、3~4階程度のマンション。後述のように、収益価格は比準価格より40%超低く、基本的に収益目的の投資としては厳しい。(スケールメリットがある場合や、税金対策、要求利回り等にもよるが)
(mlit.go.jp) 板橋-7 住宅地 成増 (概要)
(mlit.go.jp) 板橋-7 住宅地 成増 (地図)
(mlit.go.jp) 板橋-7 住宅地 成増 (鑑定評価書)
公示価格 519,000円/㎡ 対前年変動率 +5.5%
標準地番号: 板橋-7
調査基準日: 令和6年1月1日
所在及び地番: 東京都板橋区成増1丁目53番5
住居表示: 成増1-16-1
用途区分: 住宅地
交通施設、距離: 地下鉄成増、330m
価格(円/㎡) : 519,000(円/㎡)
対前年変動率(%): 5.5(%)
地積(㎡): 171(㎡)
形状(間口:奥行): (1.0:2.0)
利用区分、構造: 建物などの敷地、RC(鉄筋 コンクリート造) 3F
利用現況: 住宅
給排水等状況: ガス ・ 水道 ・ 下水
周辺の土地利用現況: 中規模一般住宅、共同住宅等が建ち並ぶ住宅地域
前面道路の状況: 南西 6.0m 区道
都市計画区域区分: 市街化区域
用途区分、高度地区、防火・準防火: 第一種中高層住居専用地域、準防火地域
建蔽率(%)、容積率(%): 60(%) 200(%)
(補足) 路線価 [令和5年1月] 390,000 円/㎡
評価書を読む
評価書A
1㎡当たりの価格 520,000 円/㎡ 対前年変動率 5.7 %
法令上の規制等:1中専(60,200)、準防、高度2種最高17m、最低敷地70㎡、(70,200)
標準的使用: 低層住宅地
地域要因の将来予測: 特段の要因変化は予測できず、現状を保ちつつ推移するものと思われる。
最有効使用の判定: 低層住宅地
鑑定評価の手法の適用:
取引事例比較法: 比準価格 530,000 円/㎡
収益還元法: 収益価格 374,000 円/㎡
市場の特性: 同一需給圏の範囲は、概ね板橋区西部の住宅地域である。需要者は同地域に地縁のある居住者を中心に、隣接区等からの転入者も見られる。東京メトロ有楽町線・副都心線及び東武東上線が利用可能で、成増駅前の商業地に近く生活上の利便性が高い地域で、金融緩和政策等を背景に市況は全般的に堅調である。中心価格帯は、土地170㎡として総額8,500万円から9,000万円程度(KN注:50~53万円/㎡)と把握した。
試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由:
対象標準地周辺は地下鉄成増駅や東武東上線成増駅から近く利便性が高いため賃貸需要も見られるが、取引は自己使用目的の実需によるものが中心である。これら需要者は生活上の利便性や居住の快適性に着目して意思決定するのが通常であることから、信頼性ある事例により試算した比準価格を標準に、収益価格を関連付け、さらに代表標準地との検討を踏まえ、鑑定評価額を上記のとおり決定した。
[一般的要因][地域要因][個別的要因]
板橋区の人口は微増、世帯数はやや増加傾向にある。区内住宅地の取引件数は概ね横這い、取引価格は上昇傾向が窺える。
街路条件に恵まれた住宅地域で、他用途の混在も若干見られるが、良好な居住環境にある。地域要因に格別の変動は見られない。
個別的要因に変動はない。
評価書B
1㎡当たりの価格 518,000 円/㎡ 対前年度変動率 +5.3 %
地域要因の将来予測:
成熟した住宅地域であり、特別な変動要因もなく、概ね現状を維持して行くものと思料される。
鑑定評価の手法の適用
取引事例比較法: 比準価格 530,000 円/㎡
収益還元法: 収益価格 386,000 円/㎡
最有効使用の判定 低層住宅地
市場の特性:
同一需給圏は、板橋区内の鉄道各駅から徒歩圏内にある住宅地域となる。成熟した既成住宅地であるが、土地取引は回復傾向にある。需要者は一次得者の他、他区内からの買い替えも見られる。個人が中心となるが、収益物件の取得を目的とする不動産業者も散見される。需要の中心となる価格帯は、地積100㎡程度で総額5千万円から7千万円(KN注:50~70万円/㎡; 165~231万円/坪)と思料される。
試算価格の調整・検証及び鑑定評価額の決定の理由:
近隣地域及びその周辺地域は、中規模以上の個人住宅を中心とし、低層共同住宅も見られる住宅地であり、賃貸マンション等の収益物件も散見される。主な市場参加者は住宅地の取得を前提とした中所得者層以上の個人となり、市場での取引動向に着目して行動するものと思われる。よって、取引動向を反映する比準価格を重視し、収益価格を比較考量し、代表標準地との検討を踏まえ、鑑定評価額を上記のとおり決定した。
[一般的要因][地域要因][個別的要因]
区内の人口は微増、世帯数はやや増加傾向にある。取引件数はほぼ横ばいながら、地価は上昇傾向にある。
板橋区内の既成住宅地域である。資材高騰の影響はあるが、住宅需要は旺盛で中古住宅、マンションを中心に回復が鮮明になっている。
個別的要因に変動はない。
(参考)
(収益価格算定における)想定建物の概要:
S造3階建の共同住宅(平均専有面積約41㎡の1LDKタイプ)を想定
建物等の初期投資額: 66,700,000 円
査定額算出根拠: 240,000 円/㎡ × 270.00 ㎡ × (100% + 設計監理料率 3.00 %)
KN注: 建築費は、24.7万円/㎡(坪82万円)。
昨年比17.0%減、一昨年比14.3%増となっている。
昨今の人件費、建築資材価格の上昇を考えると、昨年比17%減というのは意外。
令和6年、4年は業者価格、令和5年はエンド価格か?
ちなみに、昨年度の試算価格(評価書A)では、
取引事例比較法: 比準価格 506,000 円/㎡
収益還元法: 収益価格 310,000 円/㎡
となっていた。 今年(令和6)の収益価格374,000 円/㎡より、17%低い。
これがむしろ実勢とすれば、収益価格は、比準価格に対して40%強低いということになる。東京23区内の利便性の高い、駅近の土地ともなれば、これは妥当だろう。
令和5年度 評価書A
建物等の初期投資額 80,400,000 円
算定根拠: 289,000 円/㎡ × 270.00 ㎡ × (100% + 3.00 %)
令和4年度 評価書A
建物等の初期投資額 58,400,000 円
算定根拠: 210,000 円/㎡ × 270.00 ㎡ × (100% + 3.00 %)
2024/06/15
GCS Co., Ltd.