英語で味わう古今和歌集 仮名序-5 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-5 Ki no Tsurayuki

2024-11-04

英語で味わう古今和歌集 仮名序-5 紀貫之
Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-5 Ki no Tsurayuki

四つには、たとえ歌。

  わが恋は よむとも尽きじ 荒磯海(アリソウミ)の 浜の真砂(マサゴ)は よみ尽くすとも

といへるなるべし。

五つには、ただごと歌。

  いつはりの なき世なりせば いかばかり ひとの言(コト)の葉 うれしからまし

といえるなるべし。

六つには、いはひ歌。

  この殿は むべも富みけり 三枝(サキクサ)の みつばよつばに 殿づくりせり

といえるなるべし。

Fourth is Tatoe Uta, poetry likening a thing to another.

  My love is countless, even if one can count the grains of sand on the rocky coast. 

Fifth is Tadagoto Uta, poetry reading ordinary things.

  If there were no falsehood in this world, how happy I could be listening to people’s words.

Sixth is Iwai Uta, poetry celebrating something.

  The palace looks certainly gorgeous as it is configured multi-layered like white cedar, trifurcated.

(現代語訳)
第四は、「たとえ(物にたとえて詠んだ)歌」。

  わたしの恋の思いは、数えても尽きることはない。たとえ波の荒い海の浜辺の砂を数えることがだきたとしても。

というような歌。

第五は、「ただごと(普通の事柄を詠んだ)歌」。

  もしこの世に偽りがなかったなら、どんなにか人の言葉をうれしく感じることができるだろうに。

というような歌。

第六は、「いわい(祝い)歌」

  この御殿は、なるほど豊で富んでいる。三枝(枝先が三つに別れる植物)のように棟が三つ、四つとなるように御殿が建築されている。

というような歌。
  

By Kota Nakako

2024/11/03

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