英語で味わう古今和歌集 仮名序-3 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-3 Ki no Tsurayuki
英語で味わう古今和歌集 仮名序-3 紀貫之
Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-3 Ki no Tsurayuki
かくてぞ、花をめで、鳥をうらやみ、霞をあはれび、露をかなしぶ心・言葉多く、さまざまになりにける。遠き所も、いでたつ足下より始まりて年月をわたり、高き山も、麓の塵泥(チリヒヂ)よりなりて天雲(アマクモ)たなびくまで生(オ)ひのぼれるごとくに、この歌もかくのごとくなるべし。難波津(ナニハヅ)の歌は、帝(ミカド)の御初(オホンハジ)めなり。
Thus, the hearts and words of praising flowers, envying birds, admiring haze, etc. are diverse and various. The poetry has been developed as if the long journey over many years starts from the first step of the departure and the high mountain had risen from the dust and mud at the foot. And the poem of Naniwa Zu marked the beginning of the reign of Emperor.
(現代語訳)
このようにして、花をほめ、鳥をうらやましく思い、露をすばらしいと思う心・言葉は多く、様々になりました。それは、あたかも遠方への旅立ちも出発の第一歩から始まり長い年月にわたり、高い山もふもとの塵や泥から、たなびく天の雲まで成長するごとくで、歌もこのようなは発達をとげたのです。難波津の歌は、帝(天皇)の御代の端緒となったものです。
By Kota Nakako
2024/11/01